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ステラのかがく [きらら系・雑記]

本来ならしょーがくせいのあたまのなかの新キャラネタをかきたいところだが、今月号の「ステラのまほう」が有機化学回だったため、徹底追求してみたいと思う。ふわふわ科学以来か。

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まず遠藤センセが持っているテキストは化学I・II。毎度毎度「新課程になったから化学基礎・発展が正しい」というのもワンパなので、ここは視点を変えてみる。

新課程で習う化学基礎・発展と、旧課程の化学I・IIは、結局最終的にはほぼ同じことを習う。旧課程の「肥料の化学」など消えている分野もあるが正直誤差なため、「模擬試験を受けるまでに全範囲終わっていれば、別に過程とか気にしなくておk」と、遠藤センセは考えているかもしれない。

ちなみに作中は1年生の9月。この段階で旧課程有機化学の芳香族(サリチル酸が黒板に描いているため)ということは、化学Iが終わろうとしている。正直進学校並の進度で、一般的に理科の模擬試験を受けるであろう高校2年生の10月位には余裕で化学は全部終わっている。

結論:この学校、少なくとも化学の進度は進学校並。そしてこんなハイパー進度についていけてるたまちゃん達は実は結構勉強できる。

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ここはヨードホルム反応の話。ヨードホルム反応は有機化学を順に習っていくと「ケトン」のところで出てくる。ケトンの片方がメチル基になっている(あるいは二級アルコールで片方がメチル基)場合の反応で、有機化合物の構造決定に役に立つ&センター試験や大学入試のお決まり問題。ヨードホルムと聞くと化学やっていない人は「???」と思うかもしれないが、「クロロ」ホルムだと聞いた人も多数いるだろう。クロロホルムのクロロ(塩素)がヨード(ヨウ素)に変わった化合物である。

遠藤センセは飯野さんに質問で確認しているということは、すでにヨードホルム反応の授業はこの段階では終わっている。ということは、この授業は恐らく演習問題をやっている。

結論:すでに1年生9月で有機化学の演習問題ができる程度の進学校である。すげえ。

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ここで遠藤センセの言う「アセチル基」というのは -COCH3 の官能基で、一見するとケトン+メチル基に見える。しかし実はアセチル基自体がヨードホルム反応を示すというのはよくある受験問題のひっかけで誤り。アセチル基+ヨードホルム反応陽性で、アセチル基にくっついている原子がCだと確定できる。遠藤センセが「構造式はこう書ける」というのはそういうこと。構造式という言葉をちゃんと意味を理解して遠藤センセに喋られている。この辺ガチの構造決定問題をやっている感じ。

ヨードホルム反応の化学式は結構めんどくさいのだが、上位校を狙うならば反応を覚えるのは必須。できるなら反応機構も理解しておくと難関校にも対処できるかもしれない。

しかしここで1本前の黒板の板書を思い出して欲しい。サリチル酸は無水酢酸によりアセチルサリチル酸になる。その構造式(というか示性式)はCOOH-Ph-OCOCH3(o位)で、こいつはヨードホルム反応を示さない。他のサリチル酸の誘導体も大体はヨードホルム反応を示す構造は持たない。そのため、恐らくそれなりに込み入った演習問題を解いている可能性は高い。まさか「アセチルサリチル酸がヨードホルム反応を示す」というミスはしないだろう。あるいは、ヨードホルムの話をしている段階では、すでにサリチル酸の話は終わっていたのかもしれない。


「有機化学が好きなので今回ネタにした」みたいなことをくろば・U氏がつぶやいていたのだが、好きなだけあってミスは無い。さすがである。

#これくらい授業中の描写しっかりしていればなあ・・・
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